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税金逃れのペナルティは悪質だと判断されると最大50%の重加算税が過去7年分遡って請求されることになり、延滞税や利子税なども発生します。申告漏れと脱税の違いや税務署の裁量による判断の要素、税務署が本気を出すと逃げ道がなくなるなど、税金に対する罰則事情を徹底解説いたします。

税金逃れのペナルティ

税金を納めないことによるペナルティ
税金逃れのペナルティは非常に厳しく、会社の利益が出ているのに追徴課税などが理由で廃業する会社も存在します。
法人などは利益に応じて高い税金を払わないといけませんし、節税対策をして手元に残るキャッシュを増やすことが大切です。

 

ビジネスでは税制面で上手く立ち回らないといけませんが、税金逃れのペナルティだけは絶対に受けないようにしてください。

 

 

申告漏れと脱税

税金逃れのペナルティは大きく分けて申告漏れと脱税があります。
申告漏れは計算誤りや税法の解釈誤りなど悪意がないけど適切な税金を払わないことです。

 

税理士を使わない個人事業主などがやりがちですが、税理士に細かい支出や収入を伝えない理由や税理士の力量不足で申告漏れになるケースもあります。
脱税は意図的に納税を逃れるよう、虚偽の申告や未申告をするなど悪意を持った不正行為です。
ほかにも人的ミスによる申告漏れや、直近の決算(税申告)とは関係のない所得隠しによる違反行為があります。

 

申告漏れと脱税に法的な定義はありませんが、悪意の有無と悪質性の高さなどを税務署がどう判断するかで罰則の重さが変わってきます。
申告漏れや脱税などに対しては、以下4種類の加算税が発生します。

 

過少申告加算税

期限内に申告したが、本来払うべき納税額より少なく申告してしまった場合。
追加で納める税金に対して

  • 50万円まで10%相当
  • 50万円を超えの部分15%相当

上記の税金が加算されます。
税務調査の通知前に自主的に修正申告すれば過少申告加算税は発生しません。

 

無申告加算税

期限内に申告をしなかった場合に発生する加算税。

 

調査通知前に申告

調査通知後に申告

5%加算

50万円まで10%
50万円超え15%

 

不納付加算税

利益が出ている会社などが決算や確定申告をすると、源泉所得税が発生して期日までに納税するルールです。
源泉所得税を期日までに納付できなかった場合は、不納付加算税として源泉所得税の10%が課税されます。

 

重加算税

故意で所得隠しを行っていると判断された場合や、虚偽の申告や隠蔽などの不正行為だと認定された場合に適用されるもっとも重いペナルティです。

 

過少申告加算税 35%
不納付加算税 35%
無申告加算税 40%

 

上記が重加算税の税率で、5年以内に重加算税を繰り返すと、さらに10%が加算されます。※最大で50%加算のペナルティ
さらに重加算税が適用される場合のみ過去7年間分に遡って調査されます。

 

中小規模の法人などが長年にわたって脱税行為などをしていた場合、税務調査が入って重加算税を請求されると数千万円以上の莫大な納税義務が発生する恐れがあるので注意してください。
脱税の内容が悪質だと判断された場合は、代表者や責任者が刑事責任を問われる場合もあります。

 

延滞税・利子税

税金の納付が本来の期日より遅れた場合は、納める期限の翌日から完納するまでの日数に応じた延滞税が発生します。

 

税率は原則として未納税額×法的納期限の翌日から完納日までの日数÷365×14.6%です。
納期限の翌日から2月を経過する日までは7.3%になり、租税特別措置法によって実質税率は3~8%程度に軽減されることが多いです。

 

利子税は期日までに納税できない時に、税務署へ申告して納税申告書の延長が認められたときに加算されます。
利子税の税率は約3%~で延滞税よりも税率が低くなるので、税金を期日までに払えない場合は税務署か税理士に事前相談するとよいでしょう。

 

税務署が本気になるか?

追徴課税で致命傷を受ける可能性も

 

税金逃れのペナルティは利益が出ている会社に対しても致命的なダメージを与える威力があります。
特に厳しいのが悪質な場合に適用される重加算税です。

 

税務署が本格的に調査するのは、主に脱税・未申告税の金額多い事業者と悪質性が高い脱税行為をしている事業者です。
重加算税が適用されるかは税務署の判断次第になり、税務署が本気で税務調査する対象になった場合は徹底的に細かい部分まで調査されます。

 

管理人Bのアイコン
 

適切に税金を払う意思を持って税務署や税理士に相談しながら申告していれば、税務署による本気の調査対象にはなりません。
万が一重加算税の対象になると会社の存続すら厳しい状況になるので、脱税や申告漏れを起こさないように決算・税申告をして期日までに滞りなく税金を払いましょう。

管理人Aのアイコン
 

税務署は2~3年分以上の重加算税が溜まってから本気で調査するケースがあるので、直近の税申告が平気だったから次も平気だろうなどと甘い考えを持ってはいけません。
税務署が本気になると逃げ道がないので、税務署を本気にさせないように先手を打って自己申告をするなど誠意を持って対応することが大切です。